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お城

日本のお城の特徴とおすすめのお城ベスト13

日本のお城は、日本における戦国時代(1,467年~1,615年頃)の歴史を感じられる文化財です。

建築当時の姿を維持しているお城や、圧倒的な美しさを持つお城など、個性的なお城が各地に存在します。

この記事では、そんな日本のお城の特徴とおすすめのお城13箇所をランキング形式で紹介します。読めば日本のお城の基礎知識と、観光に適した日本のお城が分かります。

日本のお城について知りたいときの参考にしていただけたら幸いです。

日本のお城の歴史

日本のお城の歴史は古く、弥生時代(約2,300年前~約1,700年前)までさかのぼるといわれています。

弥生時代の日本では農耕が始まり、それに伴って貧富の差が生まれるようになりました。この貧富の差がきっかけとなり、人々の間で紛争が起こるようになります。
紛争による住居への侵入を防ぐために造られたのが「濠(ごう)」とよばれる溝で、この濠がお城の起源といわれています。

その後、平安時代半ば(900年~1,000年頃)になると武士が現れます。
それまで貴族中心の社会であった日本は武士中心の社会に変わり、武士による権力争いが頻繁に起こるようになりました。この時代、平時における居住地の安全確保と、戦争時における敵攻撃からの防護という必要性からお城が発達しました。

戦国時代(1,467年~1,615年)になると、家臣を率いた勢力の強い武士「大名(だいみょう)」は、自分や家臣の身を守るための軍事施設という観点と、大名による政治的支配の中心地という観点でお城を造るようになりました。
やがて大名たちは、権力や権威を示すためにお城の規模を大きくしていきます。

現代に見られる「日本のお城」とは、このような大名たちによって建てられ、今なお残っているものを指しているのです。

日本のお城の構造

日本のお城は、一般的に次の6つの要素が集まって造られています。

天守(てんしゅ)

日本のお城のシンボル。
当初は最終防衛設備として造られたが、徐々に大名の権力や権威を主張するための建物となった。

石垣(いしがき)

お城の土台となったり、周りに建てられたりする石の壁。
高く造られているほど、さらに勾配が急であるほど防衛力に優れている。

櫓(やぐら)

お城の防衛力をさらに高めるための建物。以下のような役割りを持つ。

  • 物見台(ものみだい)…敵の様子を見る。
  • 倉庫…武器を保管しておく。

虎口(こぐち)

お城の出入り口。
多くの敵が侵入してくるのを防ぐために、次のように造られている。

  • 狭く小さい。
  • 入るとすぐに曲がり角がある。
  • 上や背後から、鉄砲・弓矢で攻撃できる場所がある。

塀(へい)

お城を守るための壁。敵からの攻撃を防ぎつつ、隙間から鉄砲や弓矢で攻撃できるような構造になっている。
戦争で使われる武器が弓矢から鉄砲に進化していく中で、塀も次第に厚く頑丈に造られるようになった。

堀(ほり)

お城の周りにある大きな溝。空の堀もあれば、水が入っている堀もある。
敵によるお城への侵入を防ぐ役割。

日本のお城の種類

日本のお城は、大きく4種類に分かれます。
これら4種類はお城が建てられた地形によって分かれており、特徴も異なります。

山城(やまじろ)

山に建てられたお城。
山は険しい地形であることから敵が攻めにくい場所であったため、武士による争いが多発した時期に多く造られた。

平山城(ひらやまじろ)

丘陵地(標高約 300mの低い山が続く地)の上に建てられたお城。
山城では領地統制(領地を支配するための政治)を行いにくかったため、そのデメリットを解消するために建てられた。

平城(ひらじろ)

平地に建てられたお城。
お城が領地統制や経済拠点としての役割が強くなった時期に建てられた。
平地は交通や商業の中心地となるため、そこに建てる平城は、領地統制や経済活動の拠点として好都合だった。

水城(みずき)

川や湖、海といった水源を利用して建てられたお城。
水源を引き込んで堀を造ることで、防御面が優れていることはもちろん、水運を商業にも活用できるというメリットがあった。

日本のお城の役割

日本のお城には、主に次の3つの役割があります。

  1. 防衛拠点
    敵から攻められたときに自分や家臣の身を守ったり、敵の侵攻意欲をなくしたりするための施設。
    戦いのときに必要な武器や食料も備えていた。
  2. 領地統制拠点
    大名や家臣が領地を支配するための政務を行う施設。現代でいうと、役所のような役割。
  3. 住居
    大名が日常生活を送るための住まい。

現在の日本のお城は国内外から多くの観光客が押し寄せる名所ですが、かつては大名やその家臣が戦いから生き抜くために不可欠な拠点でした。

日本のお城は、日本に存在していた勢力の強い武士たちの歴史を存分に感じられる場所なのです。

おすすめのお城・城跡ランキング

ここでは、日本の数あるお城・城跡の中から足を運びたいおすすめの13城をランキング形式で紹介します。
お城・城跡のある地域へ訪れることがあれば、ぜひ立ち寄ってみてください。

おすすめ1位 姫路城(ひめじじょう)/兵庫県姫路市

姫路城は、日本で初めて世界文化遺産に登録されたお城。1,346年に築城され、その後何度か増築改修が行われて現在の姿になったといわれています。また、修復などを繰り返しつつ、ほぼ創建当時のままを維持している「現存天守(げんぞんてんしゅ)」として認定されています。

見どころは、白色の漆喰で塗られた美しく鮮やかな城壁です。その景観は羽を広げた白鷺(しらさぎ)に似ていることから、姫路城は別名「白鷺城(しらさぎじょう)」とも呼ばれています。

日本人に「日本で最も美しいお城は?」と聞くと、その多くが姫路城と答えるでしょう。

兵庫県を訪れる機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。

住所/兵庫県姫路市本町68
アクセス/姫路駅(JR山陽本線など)から徒歩約20分

公式ページ(日本語版)/https://www.city.himeji.lg.jp/castle/

おすすめ2位 松本城(まつもとじょう)/長野県松本市

松本城も現存天守の1つ。
「漆黒(しっこく)の城」として日本人に名が知られています。

外壁に塗られた黒漆は凛とした佇まいで、訪れればその勇ましい姿に圧倒されるでしょう。松本城の堀に写るその勇ましい姿と美しい北アルプスの景観は絶景です。

松本城にはボランティアガイドがおり、中には外国語に対応できる人もいます。活用すれば松本城をより一層楽しめるので、訪れたらぜひ利用してみてください。

住所/長野県松本市丸の内4-1
アクセス/松本駅(JR篠ノ井線)から徒歩約20分

公式ページ(日本語版)/https://www.matsumoto-castle.jp/

公式ページ(英語版)/https://www.matsumoto-castle.jp/lang/

おすすめ3位 名古屋城(なごやじょう)/愛知県名古屋市

名古屋城は、「日本三大名城」の1つ。巨大な天守の屋根に添えられた「金の鯱(きんのしゃちほこ)」が有名で、金鯱城(きんこじょう)、金城(きんじょう)とも呼ばれています。

名古屋城は、将軍・徳川家康が各地の大名に指示して築城されました。その後も徳川家の人間によって増築改修が行われ、徳川家の財力を象徴するような豪華絢爛なお城になりました。

第二次世界大戦時、空襲によって天守をはじめ多くの建物が焼失してしまいました。現在見られる天守は後に再建されたものですが、外観はほぼ正確に復元されているといいます。

今では、名古屋観光には絶対に外せない観光スポットとなっています。

住所/愛知県名古屋市中区本丸1-1
アクセス/市役所駅(名城線)から徒歩5分
公式ページ(日本語版)/https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/
公式ページ(英語版)/https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/en/

おすすめ4位 松山城(まつやまじょう)/愛媛県松山市

松山城は、重要文化財(日本にある文化史的・学術的に価値の高いもの)の多さで知られるお城。天守を含め21の建築物が重要文化財に指定されています。

重要文化財の中でも、山頂と山の麓をつなぐ石垣「登り石垣」や優れた防衛機能を持つ櫓「望楼型二重櫓(ぼうろうがたにじゅうやぐら)」は松山城ならではの建築物として知られています。訪れたら必見です。

松山城からの眺望も見どころ。松山城は標高約132メートルのところにあります。松山城から見渡せる松山市全体や瀬戸内海は絶景です。

住所/愛媛県松山市丸之内1
アクセス/大街道駅(伊予鉄市駅線)から徒歩約5分

公式ページ(日本語版)/https://www.matsuyamajo.jp/

おすすめ5位 竹田城跡(たけだじょうせき)/兵庫県朝来市

竹田城跡は、標高約353メートルある古城山(こじょうざん)の山頂に存在していた竹田城の跡。

「天空の城」として日本人に親しまれています。

その理由は、気候によって竹田城跡周辺に雲海が発生することがあるからです。雲海に囲まれた竹田城跡はとても神秘的です。

竹田城跡周辺で雲海が発生しやすい条件は、公式サイトに掲載されています。雲海と共に竹田城跡を見たいのであれば、事前に確認するのがおすすめです。

住所/兵庫県朝来市和田山町竹田古城山169
アクセス/竹田駅(JR播但線)から徒歩約40分

公式ページ(日本語版)/https://www.city.asago.hyogo.jp/takeda/

おすすめ6位 熊本城(くまもとじょう)/熊本県熊本市

熊本城は、「日本三大名城」として日本人に親しまれています。

工夫を凝らした防衛機能をいくつも備えているお城です。特に、敵の侵入を防ぐため造られた「武者返し」と呼ばれる急勾配の石垣は圧巻です。さらに、石垣の上には「忍び返し」と呼ばれる鋭い鉄串が並べられており、忍者の侵入を防ぐ工夫もあります。

現在は復旧中のため見られる場所は限られていますが、訪れれば日本のお城がどのように再建されるのかを見ることができるでしょう。今しか味わえない体験となるはずです。

住所/熊本県熊本市中央区本丸1-1
アクセス/熊本城・市役所前駅(熊本市電)から徒歩約10分

公式ページ(日本語版)/https://castle.kumamoto-guide.jp/

公式ページ(英語版)/https://castle.kumamoto-guide.jp/en/

おすすめ7位 二条城(にじょうじょう)/京都府京都市

二条城は、江戸幕府の初代将軍・徳川家康(1,543年~1,616年)が建てたお城。当時、天皇が住んでいた京都の守護と、将軍が京都へ赴いた際の宿泊所として築城を指示したといわれています。
この二条城も、世界遺産に登録されています。

見どころは、重要文化財に指定されている正門。
日本で縁起物といわれる松竹梅や鶴などの彫刻が煌びやかで美しく、日本人職人が得意とする細かな建築技術が見られます。

また、二条城内にある二の丸御殿(にのまるごてん)の廊下は「鴬張り(うぐいすばり)」といい、歩く度に音が鳴るように設計されています。これは、忍者などの侵入にいち早く気付けるように工夫したものです。
二の丸御殿を訪れた際には、廊下の音に耳を傾けてみましょう。

二条城は、京都観光の定番スポットです。京都へ訪れたら、ぜひ足を運んでみてください。

住所/京都府京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
アクセス/二条城前駅(地下鉄東西線)から徒歩すぐ

公式ページ(日本語版)/https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/

公式ページ(英語版)/https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/?lang=en

おすすめ8位 松江城(まつえじょう)/島根県松江市

松江城は、国宝(重要文化財の中でも特に文化史的・学術的に価値の高いもの)に指定されている現存天守。外壁が黒色で塗られているのが特徴で、渋くクールな佇まいのお城です。

松江城を訪れたら「松江堀川めぐり」は欠かせません。これは、松江城を囲む堀を屋根付きの小さな船でめぐる観光のことです。

乗船すれば松江城を外からゆっくり眺められるので、ぜひ体験してみてください。

住所/島根県松江市殿町1-5
アクセス/バス停「国宝松江城・県庁前」(レイクラインバス/北循環線回りの市営バス)から徒歩すぐ

公式ページ(日本語版)/https://www.matsue-castle.jp/

公式ページ(英語版)/https://www.visit-matsue.com/

おすすめ9位 彦根城(ひこねじょう)/滋賀県彦根市

彦根城も、国宝に指定されている現存天守。
名勝(芸術上または観賞上価値が高い土地や場所)に指定された日本庭園が複数あるところが魅力です。

その名勝の1つである彦根城玄宮園からは、遠方に凛とそびえ立つ彦根城の天守を眺められます。

まるで絵葉書のような景観を楽しむことができます。

住所/滋賀県彦根市金亀町1-1
アクセス/彦根駅(JR東海道本線/近江鉄道本線)から徒歩約15分

公式ページ(日本語版)/https://hikonecastle.com/

公式ページ(英語版)/https://visit-omi.com/poi/article/hikone-castle/

おすすめ10位 大阪城(おおさかじょう)/大阪府大阪市

大阪城は、名古屋城・熊本城と並ぶ日本三大名城の1つ。
天守が日本一高い石垣の上に建てられていることで有名です。

その高さは約30メートルあるといわれ、下から天守を眺めると圧倒的な迫力を感じるでしょう。

堀を一周する観光船「大阪城御座船」に乗れば、そんな大阪城を川から一望できます。ぜひ体験してみてください。

住所/大阪府大阪市中央区大阪城1-1
アクセス/森ノ宮駅(JR大阪環状線)から徒歩約10分

公式ページ(日本語版)/https://www.osakacastle.net/

おすすめ11位 弘前城(ひろさきじょう)/青森県弘前市

弘前城は、重要文化財に指定されている現存天守。四季折々の自然を楽しめる名所として有名な弘前公園の中にあります。

弘前城を訪れるベストシーズンは、4月の桜シーズン。

弘前城周辺には2,600本もの桜が咲きます。満開の桜と弘前城の天守が重なる景観は、圧倒的な美しさです。

住所/青森県弘前市下白銀町1
アクセス/バス停「市役所前」(弘南バス)から徒歩約4分

公式ページ(日本語版)/https://www.hirosakipark.jp/

おすすめ12位 中城城跡(なかぐすくじょうあと)/沖縄県中頭郡

中城城跡は、かつて中城村に存在した中城(なかぐすく)の城跡。世界文化遺産に登録されています。

沖縄県に残されているグスク(沖縄独自のお城)の中でも特に保存状態が良く、景観が美しいことで知られています。

グスクは他の日本のお城とは造りが異なります。違いを比較しながら見学してみるのも面白いでしょう。

住所/沖縄県中頭郡中城村泊1258
アクセス/バス停「中城小学校前」(東陽バス)から徒歩約30分

公式ページ(日本語版)/https://www.nakagusuku-jo.jp/

公式ページ(英語版)/https://www.nakagusuku-jo.jp/en

おすすめ13位 皇居東御苑(こうきょひがしぎょえん)/東京都千代田区

皇居東御苑は、皇居(天皇の住居)の東側にある庭園。江戸幕府の中心となっていた江戸城の遺跡を庭園として整備したもので、1,968年から一般に公開されています。

天守は残っていないものの、その天守跡や石垣、「大手門」と呼ばれる虎口などは残っています。200年以上も続いた日本を代表する江戸幕府の歴史を感じられる場所として人気が高く、国内外問わず多くの観光客が訪れます。

東京駅からのアクセスも良いので、東京観光の際に訪れてみると良いでしょう。

住所/東京都千代田区千代田1-1
アクセス/大手町駅(東京メトロ各線)から徒歩約5分

公式ページ(日本語版)/https://www.kunaicho.go.jp/event/higashigyoen/higashigyoen.html

公式ページ(英語版)/https://www.kunaicho.go.jp/eindex.html

まとめ

日本のお城は、かつて日本に存在していた武士たちの戦いの歴史を感じられる文化財です。

異なる個性を持つお城が多くあり、その中でもここで取り上げた13箇所は日本人にも人気が高く、観光に適したお城となっています。

日本に観光する機会があれば、ぜひお城へ足を運んでみてください。

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